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鳩が色とりどりな理由(わけ)

昨日、スマホで撮影した2羽の鳩(カワラバト)。並んで歩く姿を見ていると、羽の色がとてもよく似ていたので、「兄弟かもしれないな」と思いました。野鳥は羽色が少し違うだけで別の種とされることが多いですが、鳩は実にさまざまな色をしています。白っぽいもの、黒っぽいもの、茶色が混じったものなど、そのバリエーションは驚くほど豊かです。

その理由は、鳩が半分は野生で、半分は家禽のような存在だからです。鳩(ドバト)は中近東が原産とされ、数千年前から家禽として飼われてきました。しかし、その歴史の中で、飼われていた個体が野生化したり、また人に飼われたりすることを繰り返しながら世界中に広がっていきました。こうした背景があるため、同じ種でありながらも、環境によって羽色に多様性が生まれたのです。

本来、野生の鳥の羽色は繁殖やカモフラージュに重要な役割を果たします。しかし、鳩が家禽化されたことで「人間にとって美しいか」「飼いやすいか」という基準で交配が進められ、自然界では目立ちすぎて生きづらいような羽色の個体も生き残るようになりました。そして、その子孫たちが再び野生化し、都市部で独自の進化を遂げてきたのです。

それにしても、数千年という時間の中で、これほどまでに羽色が変化するのは驚くべきことです。5000年前の人間と今の人間はそれほど大きく変わっていないように思えますが、鳩の寿命は5~10年と短く、生後半年ほどで性成熟し、1年に2~3度繁殖します。つまり、5000年の間に、鳩の世代数は人間に換算するとおよそ25万年分に相当します。25万年前の人類といえば、まだホモサピエンスですらなかった時代かもしれません。

街中でよく見かける鳩ですが、こうして歴史を振り返ると、長い進化の旅を経てきたことがわかります。何気なく目にしている鳩も、実はとても奥深い存在なのかもしれませんね。

カワラバト
カワラバト

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