久しぶりにトラツグミを撮影しました。出会えるとちょっと嬉しくなる鳥ですが、その理由のひとつは、夜に聞こえるあの不気味な鳴き声。「ヒョー……ヒョー……」と静かな森に響くその声は、どことなく寂しげで、不安を煽るような響きがあります。昔の人々は、この鳴き声を妖怪「鵺(ぬえ)」の正体だと思っていたそうです。平安時代の物語にも登場するほどで、今でこそ「ただの鳥の鳴き声だ」とわかっていますが、真っ暗な山中で聞いたら、さすがに少し怖くなるかもしれませんね。
トラツグミは、黄色がかった茶色の体に黒い模様が散りばめられた、美しい鳥です。その模様が虎柄っぽいことから「トラツグミ」と呼ばれています。でも、普段は森の中でひっそり暮らし、落ち葉をひっくり返しながら虫やミミズを探しているので、なかなか姿を見せません。単独行動を好む鳥でもあるため、出会えるとちょっと特別感があります。
今回撮影したのは、1羽だけではありません。1羽目と2羽目は別個体で、さらに近くにいた方の話によると「このエリアには5、6羽いるみたいですよ」とのこと。トラツグミがそんなに? と思いましたが、確かにあちこちから動く気配がします。単独行動が基本のトラツグミにしては、なかなかの生息密度で、もしかすると今の時期だけの“ゆるい集合”なのかもしれません。